事例紹介

相続登記をしないことのリスク「管理者責任」「過料」

 

父が亡くなり、父名義の古い家と土地を母が相続しました。

しかし、母も高齢なので、母にもしもの時が訪れた時に、父と母の登記もまとめてしようかと思っています。

ただ、資産活用できる不動産でもないし、正直要りません。。。

私は長男ですが、すでに県外で一戸建てを構え生計を立てており、実家の不動産についてかかわるのは面倒に思っています。

相続登記を放置することのリスクはありますか。

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相続登記を速やかにしてください。

まず将来的に「過料」の対象となります。

2021年2月、法制審議会は、相続発生時や氏名変更や住所変更に伴う「土地」に関する登記を義務づける法改正案を答申しました。登記を促進する効果を狙って「過料」が法案に盛り込まれました。

土地を取得後、3年以内に登記しなければ『10万円以下の過料』を科す。

また、住所変更の時や氏名が変わった時から2年以内に登記しなければ『5万円以下の過料』を科す。

これは施行前発生の相続にはすぐには適用されない予定ですが、一定の猶予期間後、施行前発生の相続に

ついても適用されることになりますので注意が必要です。

次に管理責任を問われることがあります。

特に、今回のケースで、お母様も亡くなり、空き家のまま放置された場合、朽ちて廃屋になり、倒壊の危険が周囲に及び、雑草や大木による周辺への影響もでます。

そこで周辺に悪影響や損害がでた場合、やはりそれは相続人へ管理責任が及びます。

 

相続登記をしないまま放置に至っている所有者不明土地は年々増加しており、土地の有効活用の弊害になっています。

こういった放置された家や土地があった場合、周辺地域の地価が下がったり、町の景観が悪化して治安にも影響します。

そして公共事業や都市開発の進行も妨げています。

今回の改正案で『過料』が盛り込まれたのも、相続登記などがされていない所有者不明土地がこれ以上増えることを防止するためです。

不要な土地であれば売却や贈与などを検討して、あなたの代できれいに精算し、子供たちの代に引き継がないことが

とても大事になります。

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